仕事は「何をしたか」だけでは決まらない
同じ仕事をしても、
「またお願いしたい人」と
「頼みにくい人」がいる
社会に出ると、仕事の能力だけでなく、
人とどう関わるかによって、
任される仕事まで変わってくるように感じます。
この記事の要点
「このゴミ、捨ててきて!」
「このゴミ、捨ててきて!」
と、下の子のことはにお願いしました。
すると、間髪入れずに、
「え〜、やだ!」
と即答。
「じゃあ、もういいや!」
と伝えました。
すると、しばらくしてから、
「やっぱやる!」
と言って、結局ゴミを捨ててくれました。
ちゃんとやってくれたので、結果だけを見れば、頼んだことは終わっています。
でも、そこでふと思ったんです。
結果は同じ。でも、印象は全然違う
例えば、同じゴミを捨てるにしても、
「うん!わかった!」
と言って、すぐやる。
「え〜、やだ!」
と言ってから、結局やる。
最終的に起きていることは同じです。
ゴミはゴミ箱へ入っています。
でも、お願いした側が受ける印象は違います。
これは子どもの話なので、ことは自身はそんなことまで考えて「やだ!」と言っているわけではないと思います(笑)
ただ、この小さな出来事を見ながら、
「これって、大人になって仕事をするようになってからも同じだよな」
と思いました。
社会に出ると「仕事ができる」だけでは足りなくなる
学校では、正解を出すことをたくさん学びます。
1+1はいくつ?
この漢字は何と読む?
この問題の答えは?
答えが合っていれば、丸がもらえます。
間違っていれば、×がつきます。
とても分かりやすい。
でも、社会へ出ると、答えだけでは評価できないことが増えてきます。
「仕事を終わらせたか」だけではなく、
「その人と、どんなふうに仕事を進められたか」
も大切になります。
仕事を期限までに終わらせる。
これは最低限、大切です。
でも、その途中で、
毎回嫌そうな顔をする。
何をお願いしても文句を言う。
進捗を伝えない。
分からなくても相談しない。
指摘すると不機嫌になる。
こういうことが続けば、仕事自体は終わっていても、
「次もこの人にお願いしよう」
とは思われにくくなります。
仕事を任せる側が考えていること
仕事をお願いする側からすると、単純に、
「この人に、それができるか?」
だけを考えているわけではありません。
実際には、いろいろなことを考えます。
つまり、仕事を任せるというのは、
能力だけではなく、
「この人なら大丈夫」という信用を
預けることでもあります。
実例① 頼むたびに「なんで私なんですか?」
例えば、二人の人がいたとします。
同じ能力。
同じ経験。
同じくらいの仕事量。
Aさんへ仕事を頼むと、
「はい、分かりました。期限は金曜日で大丈夫ですか?」
と返ってくる。
Bさんへ頼むと、
「え〜……。それ、私がやるんですか?」
と言われる。
最終的には、AさんもBさんも仕事を終わらせます。
結果だけなら同じです。
でも、次に新しい仕事が出た時、誰へ声をかけるでしょうか。
多くの場合、Aさんになります。
Bさんの方が仕事ができないからではありません。
お願いするたびに、こちら側にも小さな心理的負担が発生するからです。
実例② 無理な時でも、言い方で印象は変わる
だからといって、何でも、
「はい!」
と言って引き受ければいいわけではありません。
仕事がいっぱいなら、断る必要もあります。
例えば、
「無理です。できません。」
で終わるのと、
「今Aの仕事を今日中に仕上げる必要があります。これを優先するなら、お願いされた仕事は明日の午前中からなら進められます。どちらを先にしますか?」
では、同じ「今はできない」でも印象が全然違います。
大切なのは、何でも引き受けることではありません。
相手が次の判断をしやすいように伝えること。
これも、人と仕事をする力だと思います。
実例③ 進捗を伝える人と、聞かれるまで何も言わない人
例えば、金曜日が期限の仕事をお願いしたとします。
Aさんは水曜日に、
「今70%くらい終わっています。明日最終確認をして、金曜日には提出できます。」
と伝えてくれる。
Bさんは何も言いません。
金曜日になって、こちらから、
「どうなってる?」
と聞いたら、
「あっ、まだ終わってません。」
と言われる。
Bさんが最終的に土曜日に完成させたとしても、次から重要な仕事を任せる側は不安になります。
問題は、1日遅れたことだけではありません。
「状況が分からなかったこと」です。
管理する側にとって、見えない仕事ほど怖いものはありません。
実例④ 分からないことを放置する人
新しい仕事をお願いした時。
途中で分からないことが出てくるのは普通です。
Aさんは、
「ここまでは分かったのですが、この部分だけ判断できないので教えてください。」
と聞く。
Bさんは、
「聞いたら怒られるかな」
「分からないと思われるのが嫌だな」
と思い、分からないまま進めます。
そして数日後、かなり違う方向へ進んでいたことが分かる。
これは、仕事ができる・できない以前に、コミュニケーションで防げた問題です。
任せる側からすると、
分からない時に聞ける人の方が、
実は安心して仕事を任せられます。
実例⑤ ミスを指摘された時の第一声
仕事をしていれば、誰でもミスをします。
問題は、その後です。
例えば、
「ここの数字、違っているよ」
と言われた時。
Aさんは、
「すみません。確認して直します。なぜ間違ったかも見ておきます。」
Bさんは、
「でも、それ私だけのせいじゃないですよね?」
と最初に返す。
もちろん、本当に本人だけの責任ではないこともあります。
それなら、後で原因を整理すればいい。
でも最初に言い訳から入る人と、まず事実を確認して直す人では、周囲からの印象が変わります。
そして大きな仕事ほど、
「ミスを絶対しない人」
よりも、
「問題が起きた時に適切に対応できる人」
へ任せたくなります。
実例⑥ お客様の前へ出しても安心できるか
もっと分かりやすいのが、お客様と接する仕事です。
社内では仕事がものすごく速い。
数字にも強い。
商品知識もある。
でも、電話を取った時に、
「はい?」
「それは分かりません。」
「担当じゃないので。」
という対応をする。
能力は高くても、お客様との大切な商談を任せるのは怖くなります。
反対に、分からないことがあっても、
「申し訳ありません。私では判断できませんので、確認して折り返します。」
と言える人なら、安心できます。
知らないことが問題なのではありません。
知らない時にどう振る舞うか。
そこも仕事の一部です。
実例⑦ 人を助けた時に「貸し」を作らない人
職場では、自分の仕事だけをしていれば終わるとは限りません。
誰かが困っている。
荷物が多い。
急な注文が入った。
一人では間に合わない。
そんな時に、
「私の担当じゃないので」
と毎回線を引く人もいます。
もちろん、役割分担は必要です。
何でも人の仕事を引き受ける必要はありません。
ただ、自分に余裕がある時に、
「そこだけ手伝うよ」
と言える人がいる。
そういう小さな行動って、周りは意外と覚えています。
信用は、大きな一回より、
小さな行動の積み重ねで
できていくことが多いと思います。
実例⑧ 同じ能力でも、リーダーを任される人が違う理由
例えば、作業能力が同じ二人がいたとします。
二人とも仕事は速い。
二人ともミスも少ない。
でも一人は、周りの人にも声をかける。
困っている人がいれば確認する。
必要な情報を共有する。
問題が起きれば、早めに報告する。
もう一人は、自分の仕事だけは完璧。
でも周囲との会話は少ない。
情報共有もしない。
誰かが困っていても、自分には関係ない。
この二人から、次の現場を任せるリーダーを選ぶとしたらどうでしょうか。
仕事を任せる範囲が大きくなるほど、
「自分ができる」だけでは足りなくなります。
人をまとめる仕事になるほど、
技術以上に「人との関わり方」が
仕事の一部になっていきます。
「仕事ができるのに任されない人」は実際にいる
仕事そのものはできる。
能力も高い。
知識もある。
でも、重要な仕事になると声がかからない。
そんな人は実際にいると思います。
なぜか。
それは、任せる側が、
「結果は出してくれそうだけど、途中が大変そうだな」
と思っている可能性があります。
何度も催促しなければいけない。
指摘すると機嫌が悪くなる。
周りとぶつかる。
お客様へ出すには不安がある。
大切な情報を共有しない。
そうなると、上司からすれば、
「自分でやった方が早い」
となってしまいます。
仕事を任せてもらうには、
能力だけでなく、
相手の不安を減らすことも必要なんだと思います。
人付き合いを学ばないと、見えないところで機会を失う
ここが難しいところです。
テストなら、
「あなたは70点です」
と教えてもらえます。
でも、人間関係の場合、
「あなたの返事が毎回嫌そうだから、もう頼むのをやめました」
なんて、わざわざ言ってくれる人はほとんどいません。
静かに、別の人へ仕事が回るようになります。
重要な会議に呼ばれなくなる。
新しい企画のメンバーから外れる。
お客様との商談は別の人が担当する。
責任ある仕事が別の人へ行く。
本人から見ると、
「なんで自分には任せてもらえないんだろう?」
となります。
でも、任せる側からすると、その判断には過去の小さな積み重ねがあります。
人間関係の評価は、
点数をつけて教えてもらえないからこそ、
気づくのが難しいんですよね。
では、「仕事を任せやすい人」は何をしているのか
特別なことではないと思います。
頼まれたことを理解したことを相手へ伝える。
いつまでに必要なのかを曖昧にしない。
期限当日に「できませんでした」と言わない。
勝手な判断で違う方向へ進まない。
相手が「終わったのかな?」と確認しなくて済むようにする。
ただ断るのではなく、「いつならできるか」まで伝える。
自分の言葉や行動で、相手が次に動きやすいかを考える。
一つひとつを見ると、すごい能力ではありません。
でも、これが毎日できる人は、少しずつ信用が積み上がっていきます。
「感じがいい人になれ」という話ではありません
人付き合いが大切というと、
「誰にでも愛想よくしろ」
「嫌な仕事でも全部引き受けろ」
「上司の機嫌を取れ」
という話に聞こえるかもしれません。
でも、私はそういうことではないと思っています。
できないなら、できないと言っていい。
違うと思うなら、意見を言っていい。
無理なことは断っていい。
ただ、
同じことを伝えるにしても、
相手とこれからも一緒に仕事をすることを考えた
伝え方があると思います。
例えば、
「できません」
ではなく、
「今日はAがあるので難しいですが、明日ならできます」
と言う。
意見が違うなら、
「それは違います」
だけで終わらず、
「私はこの理由で、こちらの方がいいと思います」
と伝える。
自分を曲げるのではなく、伝え方を選ぶ。
これも社会で必要な力なんだと思います。
学校では点数にならない。でも社会では大きな差になる
学校では、こういうことに点数はつきません。
返事が良かったから5点。
相手への伝え方が良かったから10点。
進捗報告をしたから20点。
そんなテストは、あまりありません。
でも社会へ出ると、こうした力が仕事に直結します。
同じ技術を持っている。
同じくらい仕事が速い。
同じ年齢。
それでも、一方には仕事がどんどん集まり、もう一方にはあまり声がかからなくなることがあります。
その差は、もしかすると能力ではなく、
「この人と一緒に仕事をしたいか」
という部分なのかもしれません。
結局、仕事は人と人で進める
AIが進化しても、機械が増えても、人がまったく関わらずに仕事が終わることは、まだまだ少ないと思います。
お客様がいる。
取引先がいる。
一緒に働く仲間がいる。
家族がいる。
誰かと一緒に何かをする以上、
「何をするか」
だけではなく、
「どうするか」
が大切になります。
能力は仕事を始めるきっかけになる。
信用は、次の仕事を任せてもらう理由になる。
そんなふうに考えると、人との付き合い方を学ぶことも、仕事の勉強の一つなんだと思います。
結局やるなら、最初から……?
今回、ことはを見ながら、
「結局やるなら、最初からやればいいのに(笑)」
と思いました。
でも、よく考えると、これって私自身にも結構あります。
面倒な仕事を頼まれた時に、心の中で、
「え〜……」
と思う(笑)
家族に何かお願いされた時に、ちょっと嫌そうな顔をする。
言っていること自体は間違っていなくても、言い方で相手を嫌な気持ちにさせる。
子どもへ教えているつもりが、結局自分のことを考えさせられました。
「相手から、自分はどう見えているんだろう?」
たまには、そんな視点で自分を見ることも必要なのかもしれません。
PS
ことはに、次また、
「え〜、やだ!」
と言われたら、
「じゃあ、もういい!」
と言いたくなると思います(笑)
でも次は、その前に今日のことを思い出してみようと思います。
……。
と言いながら、たぶんまた反射的に、
「じゃあ、いい!」
って言っている気もします(笑)
子どもも大人も、人との関わり方はずっと勉強ですね。