今年も無事に動いてくれました
私より年上の農業機械がまだ現役(笑)
ロータリークラッシャーを
長く使う経営上のメリット
最新設備を導入することだけが設備投資ではありません。
今ある機械を手入れしながら長く使うことも、
農業経営では大切な選択肢だと思っています。
この記事の要点
「動くかな……」
「動くかな?
動いてくれないと困るんだけどな……」
そんなことを思いながら、恐る恐るボタンを押しました。
すると……。
ガラガラガラガラ……
と大きな音を立てながら、無事に動き始めました。
「よかった〜。」
と、とりあえず一安心(笑)
何のことかというと、これです。
名前は「ロータリークラッシャー」
名前だけ聞くと、なんだかものすごく強そうですよね(笑)
ロータリークラッシャー。
ラスボスの必殺技みたいな名前ですが、農園では培土を崩すために使っています。
現在、4棟目のいちごの高設棚を入れ替えています。
そこから取り出した古い培土を、この機械へ入れていきます。
長い間いちごを育ててきた培土には、根っこがびっしりと張っています。
そのままでは固まっていて、扱いにくい。
そこでロータリークラッシャーへ通します。
固まった培土と根っこが
ガラガラガラッと崩され、
サラサラの状態になって出てきます。
機械へ入れた固まりが、どんどん崩れていく。
見ているとなかなか気持ちいい作業です。
……。
一つ、大きな問題を除けば(笑)
問題は、とにかく砂埃
その問題が、
砂埃。
めちゃくちゃ舞います。
いや、
「舞う」なんてかわいいものではありません(笑)
辺り一面、砂埃です。
培土を崩すたびに、細かな土が空気中へ広がります。
目にもどんどん入ってくる。
顔にも付く。
汗をかいたところだけ、砂が流れ落ちていきます。
作業が終わる頃には、なんとなく顔の彫りが深くなっています。
気分は、北斗の拳のケンシロウです(笑)
まあ、強くなったのは顔だけなんですけどね(笑)
次に使う時は、ゴーグル必須です。
実際に動いているロータリークラッシャー
実際に培土を
ガラガラ崩している様子がこちらです(笑)
音を聞いてもらうと、
どんな機械なのか
より分かりやすいと思います。
※音声があります。
ガラガラという機械音もぜひ聞いてみてください(笑)
「今回も頼むぞ……」と思いながらスイッチを押す理由
なぜ最初に、
「ちゃんと動いてくれるかな?」
と心配していたのか。
理由は単純です。
このロータリークラッシャー、かなり古いんです。
おそらく、私よりも年上です(笑)
いつ壊れてもおかしくないくらい古い機械なので、使うたびに、
「今回も頼むぞ……」
という気持ちでスイッチを押しています。
そして今年も、
ガラガラガラガラ……。
元気に動いてくれました。
モーターを見ると「National」の文字
機械のモーターを見ると、そこには、
National
の文字があります。
今ではPanasonicという名前の方がなじみがありますが、この機械がかなり前から使われていることが分かります。
そんな古いモーターが、今でも、
ガラガラガラガラ……。
と元気に働いてくれています。
私より年上なのに、まだまだ現役。
そう考えると、
「私もまだまだいけるな」
と思うのですが……。
最近は、機械より先に私の身体の方がガタが来ている気もします(笑)
古い機械を長く使うことは、経営的にも意味がある
こうした古い機械を使っていると、
「新しい機械へ買い替えた方がいいんじゃない?」
と思うこともあります。
もちろん、新しい設備には大きなメリットがあります。
作業が速くなる。
安全性が高くなる。
電気代や燃料代を抑えられる。
故障しにくくなる。
人の作業を減らせることもあります。
ただ、経営の観点で考えると、まだ十分使える設備を長く使うことにも大きなメリットがあります。
メリット① 大きな設備投資を抑えられる
農業機械は、決して安くありません。
数十万円。
ものによっては、数百万円。
設備によっては、それ以上かかることもあります。
新しい設備を購入するたびに、会社からまとまったお金が出ていきます。
一方で、すでにある設備が十分に仕事をしてくれるのであれば、新しく購入する必要はありません。
設備を1年長く使えるということは、
新しい設備へ使うはずだったお金を、
別の投資へ回せるということでもあります。
例えば、ハウスの環境改善。
作業の自動化。
商品の開発。
販売促進。
人への投資。
限られた資金を、今一番必要なところへ使えます。
特に中小企業では、使えるお金は無限ではありません。
だから、
「新しいから買う」
ではなく、
「本当に今、ここへお金を使うべきなのか」
を考える必要があります。
メリット② 一つの設備から得られる成果が増える
例えば、100万円で購入した機械があるとします。
5年間使えば、単純に考えると1年間あたり20万円。
10年間使えば、1年間あたり10万円。
20年間使えば、1年間あたり5万円です。
もちろん、実際には修理費や電気代、維持費などがかかるので、これほど単純ではありません。
それでも、同じ設備から長く成果を生み出せれば、一つの投資から得られる価値は大きくなります。
「何年使ったか」ではなく、
「その設備が何年、仕事を生み出してくれたか」
で考えることも大切です。
古いから悪い。
新しいから良い。
ではなく、
その設備が今も会社へ価値を生んでいるのか。
そこを見る必要があります。
メリット③ 使い慣れた機械は仕事が読みやすい
長年使っている機械には、もう一つメリットがあります。
どう使えばいいか分かっている。
どこが壊れやすいか分かっている。
どんな音がしたら注意した方がいいか分かっている。
どのくらいの量を入れれば詰まりにくいか分かっている。
長く使っているからこそ、機械のクセを理解しています。
新しい機械へ交換すると、使い方を覚える時間も必要です。
説明書を読む。
実際に動かす。
どこまで負荷をかけられるのか確認する。
故障した時に、どう対応するのか覚える。
こうした時間も必要になります。
機械そのものの性能だけではなく、
人がその設備を使いこなせることも
生産性には関係します。
ただし、「古いから使い続ける」ではダメ
ここは、すごく大事だと思っています。
長く使うこと自体が目的になってはいけません。
「まだ動くから」
という理由だけで使い続けた結果、経営的には損をすることもあります。
例えば、
こうなれば、話は別です。
古い設備を維持するために、毎年多額の修理費を払う。
作業時間も長い。
突然故障するリスクも高い。
それなら、新しい設備へ入れ替えた方が結果として安くなる可能性があります。
修理するか、買い替えるか。私ならここを見る
設備を入れ替えるか迷った時は、単純に購入価格だけを見るのではなく、こんなことを考えます。
① 年間の修理費はいくらか
何度も修理が必要なら、その費用を一年単位、数年単位で積み上げて考えます。
② 故障した時に何日仕事が止まるか
機械の修理費以上に、仕事が止まる損失が大きい場合があります。
③ 新しい設備で何時間削減できるか
人件費まで含めて考えると、新しい設備の方が有利になる場合があります。
④ 安全に使い続けられるか
安全面に問題がある場合は、経済性より先に更新を検討します。
⑤ その設備を今後何年使うのか
事業の方向性や規模拡大も含めて判断します。
「使えるものは使う」と「設備投資しない」は違う
私は、使える機械をできるだけ長く使うのは良いことだと思っています。
でも、それと、設備投資をしないことは別です。
今の設備で十分なら、使い続ける。
新しい設備へ変えることで、大幅に仕事が変わるなら投資する。
例えば、新しい機械を導入することで、
2人必要だった作業が1人になる。
5時間かかっていた仕事が1時間になる。
危険な作業を、人がしなくてよくなる。
そういう場合は、高額でも設備投資をする意味があります。
「古いか、新しいか」ではなく、
どちらが今後の会社に
より大きな成果を生むのか。
設備を見る時には、そこを考えたいと思っています。
機械も、人も、手入れが大切?
ロータリークラッシャーのモーターを見ながら思いました。
私より年上かもしれない機械が、まだ現役です。
きちんと手入れをする。
悪いところがあれば直す。
無理をさせ過ぎない。
そうすれば、長く働いてくれる。
そう考えると、
「私もまだまだいけるな」
と思います。
……。
ただ最近は、機械より先に私の身体の方がガタが来ている気もします(笑)
機械のメンテナンスも大切。
人間のメンテナンスも大切ですね(笑)
今年も、もうしばらく一緒に働いてもらいます
今年も無事に動いてくれたロータリークラッシャー。
まだ仕事は残っています。
4棟目の高設棚から出した培土を、順番に崩していきます。
最新設備ではありません。
見た目も、決してきれいではありません。
動く時の音も大きいです(笑)
それでも、今の仕事をきちんとこなしてくれます。
必要なところは手入れしながら、もうしばらく一緒に働いてもらおうと思います。
ただし……。
次は絶対にゴーグルをします(笑)
PS
ガラガラガラガラ……。
あれだけ大きな音を立てて動く古い機械ですが、止まった瞬間は、
「あれ? 急に静かになったな」
と少し寂しく感じます(笑)
長く使っている機械って、ただの設備というより、一緒に仕事をしている仲間みたいになってくるのかもしれません。
壊れる日が来るまでは、まだまだ現役で働いてもらいます。