「何が一番楽しかった?」1回20円の射的から考えた、いま「体験」の価値が高まる理由

1回20円の射的から考えたこと

「何が一番楽しかった?」
1回20円の射的から考えた、
いま「体験」の価値が高まる理由

高いものを買ったわけでもない。
豪華な景品をもらったわけでもない。
それでも、一番記憶に残ったのは「自分でやったこと」でした。

この記事の要点

地元のお祭りで、子どもが一番楽しかったのは1回20円の射的でした。
モノをもらうだけではなく、自分で狙い、挑戦し、結果が出る「体験」に夢中になっていました。
実際の消費者調査でも、モノより「快適な時間や思い出に残る体験」へお金を使いたいという意識は少しずつ高まっています。
考えてみれば、苺の花ことばの摘み取り体験も、いちごそのものだけでなく「自分で選び、摘んで、家族で楽しむ時間」を届けています。

まずは4コマでどうぞ(笑)

今回のお祭りでの出来事を、
4コマ漫画にしてみました。

地元の夏祭りで子どもが射的を楽しんだ様子を描いた4コマ漫画

「パパっ!楽しかったね!」

「パパっ!

楽しかったね!」

と、子どもに言われました。

先日行われた、子ども会のお祭りのことです。

以前も書いた、地元の神社で行われた小さな夏祭り。

そこで、ちょっと聞いてみました。

「どれが一番楽しかった?」

すると、少し考えて、

「うーん……。

全部良かったけど、

しゃてきかな!

との答えでした。

一番人気は、1回20円の射的(笑)

お祭りの夜店には、子どもたちが楽しめるものがいろいろありました。

射的。

くじ引き。

ほかにも、子どもたちが楽しめるものがあります。

その中でも、一番楽しかったというのが射的。

しかも、

料金はなんと

1回20円

安っ!(笑)

今の時代、20円で遊べるものって、なかなかありませんよね。

子どもたちからしたら、何回も挑戦できるので最高です。

「もう一回!」

と言われても、

「まあ20円だし(笑)」

となります。

射的って、見ている方まで面白い

射的って、やっていること自体はものすごくシンプルです。

銃を持つ。

的を選ぶ。

狙う。

撃つ。

それだけです。

でも、実際にやっているところを見ると結構盛り上がります。

狙いを定めて……。

撃つ。

弾が飛んでいく。

すると見ているこちらも、

「おっ!
いけるか?」

ってなります(笑)

当たったらうれしい。

外れたら、

「次こそ!」

となる。

そして、またやりたくなる。

この感じが面白いんでしょうね。

「何かをもらう」より「自分でやる」

子どもたちを見ていて、改めて思いました。

景品をもらえることもうれしい。

くじを引くのも楽しい。

でも射的には、もう一つあります。

自分でやる。

自分で銃を持つ。

自分で欲しいものを決める。

自分で狙う。

自分で撃つ。

そして、自分がやった結果が返ってくる。

ただ受け取るのではなく、
自分がその出来事の中に参加している。

これが面白いんでしょうね。

見て終わるのではない。

もらって終わるのでもない。

自分がやってみる。

だから、

「もう一回!」

になる。

もしかすると、今は「体験」の価値が上がっているのかもしれない

そして今回、子どもの射的を見ながら、もう一つ思いました。

今って、ものすごくモノが多い時代ですよね。

お店へ行けば、いろいろな商品があります。

ネットを開けば、家にいながら何でも買える。

欲しいと思ったものが、すぐ届くことだってあります。

もちろん、モノが必要なくなったわけではありません。

欲しい商品を買う楽しさもあります。

でも、これだけモノを手に入れやすくなった時代だからこそ、

「何を手に入れたか」だけではなく、
「何を体験したか」

に価値を感じる人が少しずつ増えているのかもしれません。

旅行へ行った。

ライブを見た。

料理を作った。

農園でいちごを摘んだ。

家族でお祭りへ行った。

射的に挑戦した。

モノとして手元に残らなくても、

「あの時、楽しかったね」

という記憶は残ります。

実際、「体験にお金を使いたい」という人は増えている

ここは気になったので、少し調べてみました。

野村総合研究所が、日本の消費者の価値観を2014年と2025年で比較した調査があります。

その中に、

「モノを買うより、快適な時間や思い出に残る体験にお金を使いたい」

という項目があります。

これに「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と答えた人は、

2014年

11.0%

2025年

14.9%

へ上昇しています。

11年間で3.9ポイントの増加です。

もちろん、この数字だけを見て、

「みんなモノより体験を選ぶようになった」

とは言えません。

まだ多数派になったという意味でもありません。

ただ、同じ質問を長い期間で比べた時に、思い出に残る体験へお金を使いたいという人が少しずつ増えていることは分かります。

限られたお金を、
「自分にとって満足できる時間」へ使う。

そんな価値観が、少しずつ広がっているようです。

※野村総合研究所による消費価値観調査を参考にしています。

旅行に使われるお金も大きくなっている

「体験」という意味では、旅行も分かりやすいですよね。

観光庁によると、2025年の日本人の国内旅行消費額は、

2025年 日本人国内旅行消費額

26兆7,845億円

となりました。

2019年と比べると22.1%増。

旅行は、まさに「モノを持ち帰る」だけではなく、

その場所へ行く。

景色を見る。

食べる。

家族や友人と時間を過ごす。

という体験そのものへお金を使う消費です。

ただし、この金額の増加には、宿泊費や交通費などの価格上昇も影響します。

なので、この数字だけから、

「体験需要がこれだけ増えた」

と単純に判断することはできません。

それでも、多くのお金が「その場所へ行って過ごすこと」に使われていることは分かります。

※観光庁の旅行・観光消費動向調査を参考にしています。

ライブ・エンタメも「その場にいること」へ価値を感じる体験

もう一つ分かりやすいのが、ライブや演劇などです。

ぴあ総研によると、2025年の国内ライブ・エンタテインメント市場は、

市場規模

8,564億円

動員数

9,223万人

となり、市場規模は3年連続で過去最高。

動員数も前年より増えています。

ライブって、終わったら手元に商品が残るわけではありません。

でも、

「あの曲を生で聴いた」

「あの場所にいた」

「みんなで盛り上がった」

という記憶は残ります。

モノとして残らなくても、
お金を払う価値がある。

そう感じる人がいるからこそ、大きな市場になっているんでしょうね。

※ぴあ総研のライブ・エンタテインメント市場調査を参考にしています。

でも「モノより体験が偉い」という話ではない

ここは少し気をつけたいところです。

モノを買うことに価値がなくなったわけではありません。

必要なものは必要です。

欲しかったものを買えば、もちろんうれしい。

先ほどの調査を見ても、体験志向が日本人全体の多数派になったわけではありません。

なので、

「これからはモノなんて売れない」

という話でもありません。

ただ、

モノそのものだけでなく、
その先にある「体験」まで含めて
価値になることが増えている。

という見方はできると思います。

考えてみれば、苺の花ことばでも「体験」を届けている

ここまで書いていて、ふと思いました。

考えてみれば、苺の花ことばでも、すでに「体験」を提供しています。

それが、

いちごの摘み取り体験

です。

いちごを買って、家で食べる。

もちろん、それもいちごの楽しみ方です。

でも、農園へ来て摘み取りをすると、そこにいろいろな出来事が加わります。

ハウスへ入る。

一面に並んだいちごを見る。

「どれがおいしそうかな?」

と探す。

赤いいちごを自分で選ぶ。

自分の手で摘む。

そして食べる。

子どもなら、

「これ大きい!」

「こっちの方が赤い!」

なんて言いながら探します。

同じいちごでも、
「買って食べる」のと
「自分で選んで摘んで食べる」のでは、
残るものが少し違う。

摘み取りの場合は、いちごそのものだけではありません。

「どれにしよう?」と選んだ時間。

自分で摘んだ感覚。

家族で話したこと。

その時に撮った写真。

「このいちご甘い!」

と言ったこと。

そういうものまで全部含めて、一つの体験になります。

射的といちごの摘み取り、意外と似ている

全然違うように見えますが、今回の射的と摘み取り体験には似ているところがあります。

射的なら、

どの的を狙うか、自分で決める。

自分で構える。

自分で撃つ。

その結果に一喜一憂する。

摘み取りなら、

どのいちごにするか、自分で決める。

自分で探す。

自分で摘む。

そして自分で食べる。

共通しているのは、
お客様自身が「参加している」こと。

ただ渡されたものを受け取るだけではない。

自分で選択する。

自分で行動する。

その結果を自分で感じる。

だから、思い出として残りやすい部分もあるのかもしれません。

「いちごを売っている」だけではないのかもしれない

今まで、摘み取り体験もいちごの販売方法の一つとして考えることがあります。

もちろん、実際にお客様にはいちごを摘んでいただきます。

でも今回のことを考えてみると、それだけではないんですよね。

農園へ来てもらう。

ハウスへ入ってもらう。

実際にいちごがなっている姿を見る。

家族で探す。

自分で摘む。

その時間そのものを楽しんでもらう。

いちごを届けているだけではなく、
いちごを通した時間や思い出も
一緒に届けている。

そんな考え方もできるのかもしれません。

そう考えると、摘み取り体験で大事なのは、

「いちごが食べられる」

だけではなく、

「家族で楽しい時間を過ごせた」

「子どもが喜んでいた」

「また来たいと思った」

という部分にもあるんでしょうね。

これからは「商品」だけでなく「その時間」も考える

これは苺の花ことばにとっても、結構大事な視点だなと思います。

例えば、同じ越後姫でも、

箱に入ったいちごを買っていただく。

農園へ来て、自分で摘んでいただく。

どちらも同じ越後姫です。

でも、お客様が受け取っている価値は同じではありません。

商品なら、

味。

香り。

見た目。

品質。

そういったものが大事です。

一方、摘み取りなら、それに加えて、

農園へ来た時の雰囲気。

選ぶ楽しさ。

摘む楽しさ。

家族との会話。

スタッフとのやり取り。

写真を撮りたくなる場所。

そういうところまで含めて「体験」になります。

商品を良くするだけでなく、
「その時間をどう楽しんでもらうか」も考える。

モノが豊富な今だからこそ、こういうところの価値は今後さらに大切になるのかもしれません。

モノは増える。でも体験は「自分の記憶」になる

家の中を見ても、モノって増えていきます。

おもちゃ。

服。

ゲーム。

いろいろあります。

もちろん、その一つ一つにも思い出があります。

でも、時間が経つと使わなくなるものもあります。

一方で、体験は少し違います。

お祭りへ行った。

射的をやった。

いちごを摘みに行った。

「どれが甘いかな?」と探した。

家族で笑った。

そういう出来事は、その人自身の記憶になっていきます。

モノを持って帰るだけではなく、
思い出も持って帰る。

今回の1回20円の射的って、まさにそれだったのかもしれません。

そして摘み取り体験も、そこをもっと大切にしていきたいなと思います。

20円なのに、一番楽しかった

考えてみれば、これが今回一番面白いところです。

1回20円です。

豪華な遊びではありません。

高価な景品が出るわけでもありません。

最新のゲームでもない。

それでも、子どもに、

「何が一番楽しかった?」

と聞いたら、

「しゃてき!」

だった。

これって、大人側からすると結構大事なヒントだと思います。

値段と、体験の価値は必ずしも比例しない。

高いものを用意することが、必ずしも一番喜んでもらえる方法ではありません。

20円でも、

自分で選べる。

自分で挑戦できる。

ドキドキする。

当たればうれしい。

外れれば、もう一度やりたくなる。

その一連の体験がある。

だから、値段以上に楽しめるんでしょうね。

来年は「もっと豪華に」ではなく「もっと参加できるものを」

私は子ども会の役員なので、来年、

「屋台は何をやろうか?」

となるかもしれません。

その時に今回のことは覚えておこうと思います。

つい準備する側は、

「去年より豪華にしよう」

「もっといい景品を用意しよう」

「もっとお金をかけよう」

と考えがちです。

でも、もしかすると大事なのはそこじゃない。

もっと「参加できるもの」を
増やせないか。

自分で選ぶ。

自分でやる。

自分で失敗する。

自分で成功する。

そういうものを増やした方が、子どもたちはもっと楽しんでくれるかもしれません。

豪華さではなく、参加する余白。

イベントを考える時には、結構大事なのかもしれませんね。

そして「何が一番楽しかった?」と聞いたから分かった

今回、もう一つ大きかったのが質問の仕方でした。

もし私が、

「お祭り楽しかった?」

と聞いていたら、たぶん答えは、

「楽しかった!」

で終わっていたと思います。

それはそれで、もちろんうれしい。

でも、来年へのヒントにはなりません。

そこで、

「何が一番楽しかった?」

と聞いた。

だから、

「射的」

という具体的な答えが返ってきました。

たった一言、質問を変えただけです。

でも、得られる情報は全然違います。

これは仕事でも同じですよね

この話って、お祭りだけではないと思います。

例えば商品を買っていただいたお客様へ、

「良かったですか?」

と聞けば、

「良かったです」

で終わるかもしれません。

でも、

「どこが一番良かったですか?」

「また来たいと思ったのは、どんなところですか?」

「逆に、もっとこうだったら良かったと思うところはありますか?」

と聞いてみる。

すると、次に活かせる答えが返ってくる可能性があります。

「満足したか」を聞くだけでなく、
「何に価値を感じたか」を聞く。

これは商品でも、サービスでも、イベントでも、摘み取り体験でも同じだと思います。

私たちが価値だと思っているところと、お客様が一番価値を感じているところが同じとは限りません。

だから、実際に聞いてみる。

そこから次の改善につなげる。

今回の1回20円の射的も、聞かなかったら分からなかったことです。

来年も射的だったら……

ということで、今回のお祭りで一番楽しかったのは射的だったようです。

そして調べてみると、世の中全体でも少しずつ、

「何を買うか」だけではなく、

「どんな時間を過ごすか」

「何を体験するか」

に価値を感じる人が増えていることも分かりました。

考えてみれば、苺の花ことばの摘み取り体験も同じです。

いちごだけを持って帰るのではなく、

「自分で摘んだ」

「家族で選んだ」

「農園で楽しい時間を過ごした」

という思い出も一緒に持って帰ってもらう。

そういうところを、これからもっと大切にしていきたいなと思います。

「パパっ!
楽しかったね!」

こう言ってもらえる体験って、いいですよね。

まあ、来年も射的をやったら、ことはから、

「パパ、もっとやりたい!」

って言われそうですけどね(笑)

でも1回20円。

そのくらいなら、何回かやらせてもいいかな(笑)

PS:

モノが豊富な時代だからこそ、

「何を買ってもらったか」

より、

「誰と、何をしたか」

の方が後まで残ることもあるのかもしれません。

今回のことはにとって、それが1回20円の射的でした。

苺の花ことばへ来てくれた子どもたちにとっては、

「自分でいちごを摘んだこと」

が、そんな思い出の一つになってくれたらうれしいですね。

何年か経って、

「小さい頃、あそこでいちご摘んだよね」

なんて話してもらえたら、いちごそのものとはまた違った価値が残っているということだと思います。

これからは、商品だけではなく「どんな時間を持って帰ってもらうか」というところも考えていきたいと思います。

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