失敗しない人より、失敗から直せる人が強い。「スピード・数・確実性」で成長を速める

仕事の成長速度を決める、三つの順番

失敗しない人より、
失敗から直せる人が強い。
「スピード・数・確実性」で成長を速める

最初から正解を出そうとするのではなく、
早く小さく試して、結果を見ながら正解へ近づいていく。
私は、その方が仕事の成長は速いと思っています。

この記事の要点

確実性を求め過ぎると、準備と確認ばかりが増え、最初の一歩が遅くなります。
小さく試せる仕事では、スピードと試行回数を先に増やし、後から確実性を高める方が成長しやすくなります。
失敗を責めるのではなく、「何が分かったか」「次はどうするか」を評価する文化が必要です。

仕事の成長速度を決める三つの要素

私は、仕事の成長速度は、次の三つをどの順番で考えるかによって大きく変わると思っています。

確実性

失敗しないこと。
完成度を高めること。

試す回数。
経験を重ねること。

スピード

考えたことを、
行動へ移す速さ。

この三つは、どれも大切です。

ただし、順番を間違えると、行動が止まりやすくなります。

「確実性、数、スピード」では、動き出すまでが遅くなる

確実性を最初に置くと、こんな考え方になりやすいです。

「失敗しないように、もう少し準備してから」

「間違いがないか、もう一度確認してから」

「もっと完成度を高めてから始めよう」

もちろん、準備も確認も大切です。

安全や法律に関わる仕事では、慎重に進めなければいけません。

ただ、新しい商品を作ることや、新しい販売方法を試すことには、最初から確実な答えがほとんどありません。

どんな商品がお客様に選ばれるのか。

どんな言葉が伝わるのか。

どの写真を見た時に、興味を持ってもらえるのか。

どれだけ考えても、実際に出してみなければ分からないことがあります。

正解が分かってから動こうとすると、
正解を知るための経験が、いつまでも得られません。

「スピード、数、確実性」の順番で考える

だから私は、次の順番で考えた方が、仕事の成長は速いと思っています。

スピード



確実性

まず、できるだけ早く動く。

次に、何度も試す。

そして、結果を見ながら確実性を高める。

一度で正解を出すのではなく、試行回数を重ねながら正解へ近づいていく考え方です。

一回目は60点でもいい。

反応を見て、70点にする。

もう一度試して、80点にする。

頭の中だけで100点を考え続けるより、現実から答えをもらいながら改善した方が、早く本当の答えへ近づけます。

行動心理学から見る「動けなくなる理由」

人が行動できないのは、やる気が足りないからとは限りません。

失敗を避けようとする、人間の自然な心理が関係しています。

1.失う痛みを強く感じる「損失回避」

人は、同じ大きさの利益と損失であれば、利益を得る喜びよりも、失う痛みを強く感じやすい傾向があります。

新しい商品を出して売れなかったらどうしよう。

発信して反応がなかったら恥ずかしい。

新しい方法を提案して、失敗したら評価が下がるかもしれない。

挑戦して得られる可能性よりも、失敗して失うものが先に見えてしまいます。

その結果、

「今まで通りでいい」

「もう少し確実になってから」

という判断になりやすくなります。

動かない方が安全に感じますが、
動かないことで失う機会は見えにくいものです。

2.答えが分からないことを避ける「曖昧さ回避」

人は、結果が分からない選択よりも、結果を想像しやすい選択を好みやすい傾向があります。

今まで販売してきた商品。

今まで使ってきた売り方。

今まで通りの文章。

そこには、ある程度の予測ができます。

一方、新しいことは、結果が分かりません。

その分からなさ自体が不安になります。

だから、正解を探し続けたり、成功事例が出るまで待ったりしてしまう。

でも、新しい仕事では、曖昧さが完全になくなることはありません。

分からない状態で、小さく一歩を出す必要があります。

3.何もしない方が責められにくい「不作為バイアス」

何かをして失敗すると、原因が目立ちます。

「新しいことを始めたから失敗した」

と見られることもあります。

一方で、何もせずに機会を逃しても、その損失は目立ちにくい。

行動して失敗するより、行動しない方が心理的に安全に感じます。

でも、何もしないことも一つの選択です。

新しいお客様へ届かなかった。

競合より出遅れた。

改善できる機会を逃した。

こうした損失も、本当は生まれています。

行動しないリスクは見えにくい。
だからこそ、意識して比べる必要があります。

4.今までのやり方を選び続ける「現状維持バイアス」

人は、変化によって良くなる可能性があっても、今の状態を維持しようとする傾向があります。

現在のやり方には、慣れがあります。

失敗しないための方法も分かっています。

変更には、考える手間や説明する手間がかかります。

そのため、

「今のままでも大きな問題はない」

という理由で、改善を先延ばしにしてしまいます。

でも、市場も、お客様も、販売方法も変わります。

自分たちが止まっていても、周りは動いています。

現状維持を選んだつもりが、実際には少しずつ後退していることもあります。

「構えろ、撃て、狙え」でいい

よく、

「構えろ、狙え、撃て」

と言います。

しっかり構え、狙いを定め、間違いがないことを確認してから撃つ。

失敗を避けるには、正しい順番なのかもしれません。

ただ、仕事の世界では、狙いを定めている間に状況が変わることがあります。

お客様の求めるものが変わる。

競合の商品が変わる。

販売する場所や、発信する方法が変わる。

だから私は、

構えろ、撃て、狙え。

くらいで、ちょうどいいと思っています。

最低限の準備をしたら、まず撃ってみる。

右へずれたなら、次は少し左を狙う。

届かなかったなら、次はもう少し強く撃つ。

反応がなかったなら、商品や伝え方を変えて、もう一度試す。

動きながら狙いを修正した方が、最初から完璧な狙いを探し続けるより、結果的には早く目的地へたどり着けます。

年齢や立場が上がるほど、失敗が怖くなる

私自身、30歳を過ぎ、経験や立場が増えるにつれて、若い頃より失敗を避けたくなる感覚があります。

これは男性だけの話ではなく、年齢や役職が上がった人ほど感じやすいことかもしれません。

「今さら分からないと言えない」

「できない人だと思われたくない」

「立場があるから間違えられない」

経験が増えることで自信がつく一方、これまで築いた評価を守りたい気持ちも生まれます。

すると、若い頃なら、

「とりあえず、やってみます!」

と言えたことでも、慎重になり過ぎます。

必要以上に調べる。

誰かの成功事例が出るまで待つ。

確実に成功すると思えることしか選ばない。

その結果、失敗は減るかもしれません。

でも、今できる範囲の仕事しか選ばなくなれば、大きな成長も生まれにくくなります。

必要なのは、失敗しても報告できる文化

スピードを上げ、試行回数を増やすためには、失敗を隠さなくていい環境が必要です。

失敗した瞬間に責められる。

評価を下げられる。

笑われる。

そんな会社では、誰も挑戦しなくなります。

挑戦しないだけではありません。

問題が起きても、報告が遅くなります。

失敗を小さく見せようとします。

その結果、本来は小さく直せた問題が、大きくなることがあります。

失敗をなくすより、
失敗を早く共有し、早く修正できる会社の方が強い。

だから私は、失敗した人に、

「誰のせい?」

と聞くのではなく、

「何が分かった?」

「次はどう変える?」

と聞ける会社にしたいと思っています。

挑戦した結果の失敗なら、

「やってみてくれて、ありがとう」

と言える文化を作りたい。

すべての失敗を許していいわけではない

もちろん、何でも速くやればいいわけではありません。

安全に関わること。

法律や表示に関わること。

お客様へ大きな迷惑をかけること。

一度失敗すると、取り返しがつかないこと。

こうした仕事は、慎重に進める必要があります。

大切なのは、仕事の性質によって挑戦の方法を変えることです。

慎重に進める仕事

安全・衛生・法律・表示・大きな投資・取り返しのつかない判断

小さく試す仕事

新商品・広告・売り場・価格・販売方法など、費用や対象を限定して試すもの

すぐ試せる仕事

メルマガの件名・文章・写真・商品ページ・小さな見せ方の改善

やり直せる仕事まで、失敗を恐れて止める必要はありません。

失敗の大きさを小さく設計したうえで、早く試せばいいのだと思います。

失敗を「学び」に変える五つのルール

1.最初から小さく試す

販売数、広告費、対象のお客様を限定し、失敗した時の損失を小さくします。

2.何を確認するテストなのか決める

「売れるか」だけではなく、クリック率、問い合わせ、購入率など、見る数字を一つに絞ります。

3.結果を早く確認する

試したまま放置せず、決めた日に数字や反応を確認します。

4.分かったことを言葉にする

成功か失敗かだけで終わらせず、なぜその結果になったのかを整理します。

5.次の実験日を決める

反省会だけで終わらせず、修正した次の行動を予定へ入れます。

評価するのは、失敗の有無ではなく、挑戦と学び

失敗しないことだけを評価すると、人は簡単な仕事だけを選ぶようになります。

成功することが分かっている仕事。

以前と同じ仕事。

責任を問われにくい仕事。

それでは、会社として新しい経験が増えません。

だから評価したいのは、

・小さな挑戦を何回したか

・結果をどれだけ早く確認したか

・失敗から何を学んだか

・次の行動へどうつなげたか

・同じ失敗を繰り返していないか

失敗したことではなく、失敗した後に何をしたかを見る。

そんな評価の方が、挑戦できる会社につながると思っています。

まず動く。数を重ねる。そして狙いを修正する。

確実性、数、スピードではなく、

スピード、数、確実性。

構えろ、狙え、撃てではなく、

構えろ、撃て、狙え。

最低限の準備をしたら、まず動く。

小さく試す。

回数を重ねる。

結果から学び、狙いを修正する。

失敗しなかった人より、小さな失敗をたくさん経験し、そのたびに直してきた人の方が、最後には強くなると思っています。

新しいことに挑戦しているのに、まったく失敗していないなら、試している数が少ない可能性もあります。

失敗をしないことが評価される会社ではなく、挑戦した数と、そこから得た学びが評価される会社へ。

私自身も、年齢や立場を言い訳にして失敗を避けるのではなく、これからも小さな失敗を重ねながら成長していきたいと思っています。

PS

「失敗してもいい」と言いながら、私自身が失敗した時だけ落ち込んでいたら説得力がありません(笑)

まずは私から、小さく試して、小さく失敗し、早く直す姿を見せていきたいと思います。

ただし、同じ失敗を何回もした時は、さすがに少し反省します(笑)