この記事の要点 ・仕事が早い人は雑なのではなく、品質を維持したまま時間を短くしている。 ・中小企業は少ない人数だからこそ、生産性を高める必要がある。 ・しかし、生産性より先に「何をやるか」という方向性を決めることが最も重要。
「じゃあ、次はこのハウスで。その次はこっちだね。」
クルーたちと相談しながら、ハウスの片付けを進めています。
今年は例年より収穫が早く終わったハウスがあったので、片付けも前倒しで進めています。
しかも今年は、ありがたいことにまだ本格的な猛暑ではありません。
もちろんハウスの中は30℃を軽く超えます。
暑さに慣れていない人なら、それだけで体力を奪われる環境です。
それでも例年のような「暑すぎて動けない」という状態ではないので、今が一番仕事が進む時期。
だからこそ、このタイミングで一気に片付けています。
ハウスの片付けでやることは、とてもシンプルです。
苗を折る。
運ぶ。
また折る。
また運ぶ。
それを何千株も繰り返します。
だから最後はスピード勝負になります。
でも、ここで勘違いしてほしくないことがあります。
スピードを求めることと、雑に仕事をすることは全く違います。
品質は落とさない。
確認もする。
安全にも気を配る。
そのうえで時間だけを短くする。
これが本当に目指したい仕事です。
仕事が早い人を見ると、
「適当にやっているだけじゃない?」
そう思われることがあります。
でも、本当に仕事ができる人は違います。
品質は変えない。
ミスも少ない。
そのうえで、60分かかっていた仕事を45分で終わらせる。
30分で終わらせる。
つまり、生み出す価値はそのままで、時間だけを短縮しているのです。
私は、これが本当の意味での生産性だと思っています。
大企業には人数があります。
資金もあります。
設備もあります。
でも、中小企業には限りがあります。
だから、一人ひとりが生み出す価値を高めるしかありません。
一人で終わる仕事を二人でやれば、人件費は倍になります。
利益は減ります。
利益が減れば、新しい設備も買えません。
給料も簡単には上げられません。
休日を増やすことも難しくなります。
だから、中小企業ほど「少ない人数で大きな成果を出す力」が必要になります。
経営学には「パーキンソンの法則」という考え方があります。
仕事は、与えられた時間いっぱいまで膨らむ。
だから私は、作業時間を決めています。
午前中でここまで。
今日はこのハウスまで。
終わる時間を決めるだけで、人の集中力は大きく変わります。
ここまで生産性について書いてきました。
でも、もっと大切なことがあります。
それは、「何をやるか」を決めることです。
どんなに仕事が早くても。
どんなに生産性が高くても。
向かう方向が間違っていたら、そのスピードで間違った場所へ進んでしまいます。
例えば、利益が出ない商品を誰よりも早く作る。
お客様が求めていないサービスを効率よく提供する。
必要のない会議を短時間で終わらせる。
これでは、生産性が上がるほど会社の損失も大きくなります。
つまり、間違った仕事の生産性を上げることは、マイナスを加速させることになります。
私は、会社には二つの仕事があると思っています。
一つは、決められた仕事を速く終わらせること。
もう一つは、「何をやるべきか」を決めることです。
私は後者こそ、社長の一番大切な仕事だと思っています。
どの商品を伸ばすのか。
何をやめるのか。
どこへ投資するのか。
どんな会社にしていくのか。
この方向性は、社長しか決められません。
方向が決まって初めて、生産性は意味を持ちます。
私は、生産性とは「速く仕事をすること」ではないと思っています。
正しい仕事を、できるだけ少ない時間と資源で、大きな成果につなげること。
それが、本当の生産性です。
だから、まず方向を決める。
その方向に向かって、生産性を高める。
この順番が何よりも大切です。
仕事は、この順番を間違えると、頑張るほど遠回りになります。
今日もハウスを片付けながら、そんなことを考えていました。
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PS 仕事は、ただ速く終わらせればいいものではありません。
まずは進む方向を決めること。
そして、その方向に向かって生産性を高めること。
この二つがそろって初めて、会社も人も成長していくのだと思っています。