定植が終わると、もう来年のことを考えます(笑)
毎年同じところでつまずく。
定植の振り返りから考えた
「会社の文化」と、変えるもの・変えないもの
「今年はここ良かったよね。」
「でも、ここはまた遅れたよね。」
何年も振り返っていると、
だんだん自分たちの会社らしさが見えてきます。
この記事の要点
まずは4コマでどうぞ(笑)
今年の定植が終わったばかりなのに、
もう来年の定植の話をしています(笑)

「やっぱり、この時期は遅れるなぁ〜。」
「やっぱり、この時期は遅れるなぁ〜。」
毎年、定植が落ち着くと、その年の片付けや定植を振り返ります。
「今年は、ここ良かったよね。」
「逆に、ここはうまくできなかったな。」
そんな感じで、良かったところと悪かったところを確認していきます。
一つ一つ振り返ってみると、
「去年より良くなったな。」
というところもあります。
でも一方で、
「ここ、また今年も同じだな。」
というところも出てきます。
今年もありました。
毎年引っかかるのが、定植後の苗管理
それが、定植が始まってからの苗管理です。
定植が始まると、どうしても、
「まずは植えないと!」
となります。
当然ですよね。
苗は待ってくれません。
ハウスも空けてあります。
植える日も決めています。
なので、定植に人も時間も集中します。
ただ、1棟を定植するだけでも、
苗を集める。
苗を運ぶ。
植える準備をする。
実際に定植する。
という作業があり、だいたい2〜3日かかります。
次を植えている間に、前のハウスが手薄になる
1棟終われば、次のハウスがあります。
「よし、次!」
と進めます。
でも、その時。
先に定植したハウスでは、もう苗の管理が始まっています。
水。
株の状態。
活着。
葉。
温度。
いろいろ見ないといけません。
でも、こちらは次の定植で手いっぱい。
「植える仕事」と
「植えた後の管理」が
同時に走り始める。
ここが毎年、手薄になりやすいところです。
「仕方ない」で終わらせてもいい。でも……
もちろん、
「定植時期なんだから仕方ないよね。」
と言えば、仕方ない部分もあります。
一年の中でもかなり忙しい時期です。
やることが重なります。
人員にも限りがあります。
全部を完璧にやるのは難しい。
でも。
毎年、同じ時期に。
毎年、同じような仕事で。
毎年、同じように遅れる。
のであれば、
それは「仕方ない」ではなく、
改善できる仕組みが
まだ残っているのかもしれない。
と思います。
人数なのか、順番なのか、時間の取り方なのか
じゃあ、どうするのか。
まだ答えは決まっていません。
人数の配置を変えるのか。
定植するハウスの順番を変えるのか。
定植期間中でも、管理だけをする人を決めるのか。
一日の中で、
「この時間は先に植えたハウスを見る。」
と最初から時間を確保するのか。
もしかすると、作業そのものを変える方法もあるかもしれません。
まだ考えられます。
問題が毎年同じなら、
来年も同じやり方をする理由はない。
ここは来年、改善です。
一年だけ振り返っても、分からないことがある
こういう振り返りって、一年だけだと判断しにくいです。
「今年だけ、たまたま忙しかったのかも。」
「今年の天気が特殊だったからかな。」
「たまたま人が足りなかったのかな。」
そう思うことがあります。
でも、これを何年も続けます。
すると、だんだん違って見えてきます。
去年も。
一昨年も。
その前も。
似たようなところで遅れていた。
逆に、毎年なぜかスムーズに進む作業もある。
そうなると、単なる偶然ではなくなってきます。
何年も見ると「自分たちは何者か」が少し見える
何年も振り返っていると、
自分たちは何が得意なのか。
どんな時に仕事が遅れやすいのか。
何が重なると弱いのか。
どんなことなら、言われなくても自然に動けるのか。
そういうものが見えてきます。
「うちは、こういうところ強いよね。」
「でも、ここ毎年弱いよね。」
みたいな感じです(笑)
そして最近、
「これって会社の文化を見ることにも似てるのかな。」
と思うようになりました。
そもそも「会社の文化」って何なんだろう?
会社の文化。
企業文化。
そう聞くと、なんとなく大きな会社の話に聞こえます。
立派な言葉を決める。
壁に貼る。
朝礼でみんなで読む。
そんなイメージもあります。
もちろん、言葉にすることも大事です。
でも実際の会社の文化って、もっと日常の中にあるんじゃないかと思います。
忙しい時に何を優先するのか。
困っている人がいたら誰かが自然に手を貸すのか。
失敗した時に隠すのか、共有するのか。
問題が起きた時に人を責めるのか、仕組みを見直すのか。
毎年同じ失敗をしても「仕方ない」で終わるのか。
「じゃあ来年は変えよう。」となるのか。
会社の文化は、
書いてある言葉より、
繰り返されている行動に表れる。
そんな気がします。
私は『ビジョナリー・カンパニー』を参考にしています
会社を考える時に、私が参考にしている本の一つが、
『ビジョナリー・カンパニー』
です。
その中で、私が特に大事だと思っている考え方があります。
簡単に言うと
変えてはいけないものは守る。
それ以外は、変え続ける。
会社には、簡単に変えてはいけないものがあります。
何のために会社があるのか。
何を大事にするのか。
どういう価値観で仕事をするのか。
一方で、仕事の手順。
人の配置。
道具。
スケジュール。
役割分担。
こういうものまで、
「昔からこうだから。」
という理由だけで守る必要はありません。
「何気ない日常に、ちょっとした幸せを届ける」は変えない
苺の花ことばには、
何気ない日常に、
ちょっとした幸せを届ける。
という考えがあります。
これは、私たちが何のために仕事をしているのかにつながるものです。
こういう部分は、簡単には変えません。
でも、
何時に定植するのか。
誰が苗を見るのか。
何人で作業するのか。
どの順番でハウスを進めるのか。
こういうところは、もっと良いやり方があるなら変えればいい。
守るのは目的。
変えるのは方法。
全部を昔のままにすることが、「会社らしさ」ではないと思っています。
むしろ「毎年改善すること」も文化になる
ここが面白いところです。
文化というと、
「変わらないもの。」
のようにも感じます。
でも、
「毎年振り返る。」
「うまくいかなかったことを残す。」
「次は変えてみる。」
という行動を毎年繰り返していけば、
それ自体が会社の文化になります。
改善することが、
特別なイベントではなく、
いつもの仕事になる。
これは、私が作りたい文化の一つです。
毎年同じ弱点があることも「文化」なのか?
ここで一つ気をつけたいことがあります。
毎年同じことが起きるからといって、
「これがうちの文化だから。」
で済ませてはいけません。
例えば今回の、
定植中に、先に定植したハウスの管理が手薄になること。
確かに何年も繰り返しています。
ある意味では、今の仕事の進め方に染みついているパターンです。
でも、それは、
守るべき文化ではありません。
直すべき仕事の仕組みです。
「昔からこうだから」と
「大切だから変えない」は
全く違う。
ここを混ぜないことが大事なんだと思います。
『ビジョナリー・カンパニー』でいう「基本理念」と「進歩」
『ビジョナリー・カンパニー』では、長く続く会社について、
核となる価値観や存在理由を大切にする一方で、
それ以外の部分では、改善・変化・革新を続けることが重要だとされています。
つまり、
変わらない会社を作るのではなく、
変えてはいけないものが分かっているから、
それ以外を思い切って変えられる会社を作る。
ということなんだと思います。
これは、農園でも同じです。
いちごを丁寧に育てることは変えない。
お客様に喜んでもらいたいという部分も変えない。
でも、そのための作業方法は、毎年変わっていい。
むしろ変えないと、環境についていけません。
振り返りを「高橋の頭の中」だけで終わらせない
そして、もう一つ。
私が毎年、
「ここ良かった。」
「ここ悪かった。」
と思っているだけでは、会社の仕組みにはなりません。
私が忘れれば終わりです(笑)
だから、これからは、
振り返った内容を残す。
来年の定植前に見る。
実際に一つ変える。
そして、また結果を見る。
というところまでつなげたいと思っています。
例えば来年へ残すなら、
継続:今年うまくいったこと
改善:今年うまくいかなかったこと
原因:なぜ起きたと思うか
変更:来年、一つ何を変えるか
確認:来年、何を見れば改善したと分かるか
くらいでもいいと思います。
大事なのは、立派な報告書を作ることではなく、来年の行動が一つ変わることです。
会社の文化は、経営者が言ったことだけでは作れない
「うちは、こういう会社です。」
と私が言うだけなら簡単です。
でも、実際に毎日の仕事がそうなっていなければ、たぶん文化にはなりません。
会社の文化は、
何を褒めるのか。
何を注意するのか。
何を優先するのか。
問題が起きた時に、どう対応するのか。
どんな人が評価されるのか。
そして、
何を何年も繰り返しているのか。
そういうところから作られていくんだと思います。
文化は、
「こうありたい」と言うことではなく、
「実際に何を繰り返しているか」。
強みも弱みも、何年も見るから分かる
今年だけを見たら、
「忙しかったから仕方ない。」
で終わってしまうかもしれません。
でも、何年も見ていれば、
「これは毎年だな。」
と気づけます。
そして、それは悪いことだけではありません。
毎年、自然とうまくできていることもあります。
誰かに言われなくても動けること。
忙しい時でも、なぜか崩れないこと。
それも自分たちの強みです。
だから振り返りは、反省会だけではありません。
直すところを探すだけではなく、
残したい「自分たちらしさ」を
見つける時間でもある。
今年の反省を、来年の「普通」にする
今年の定植で、
「定植が始まった後の苗管理が手薄になった。」
と気づきました。
来年、そこを改善できたとします。
さらに翌年。
そのやり方が当たり前になって、誰も意識しなくてもできるようになったら。
それはもう、
「苺の花ことばでは、
定植中でも植えた後の株をちゃんと見る。」
という文化になっているのかもしれません。
会社の文化って、そうやって作られていくものなのかなと思います。
今年の定植終了。では、来年の定植を考えます(笑)
今年の定植は無事に終わりました。
普通なら、
「終わったー!」
と少し休んでもいいんでしょうけど。
終わったら終わったで、
今度は来年の定植のことを考え始めます(笑)
まだ来年の苗すらありません。
それでも、今考えます。
なぜなら、半年後には細かいことを忘れているから(笑)
今年の記憶が新しいうちに残す。
そして来年、
一つでも仕事のやり方を変える。
それを毎年積み重ねていけば、農園も少しずつ良くなると思います。
変えないものと、変え続けるもの
会社を長く続けていくために、
何でも変えればいいわけではありません。
でも、何でも守ればいいわけでもありません。
私たちが大切にしたいこと。
何のために仕事をするのか。
そういうものは残す。
一方で、
作業方法。
人の配置。
仕事の順番。
管理方法。
こういうものは、もっと良くできるなら変える。
守るべきものは守る。
変えられるものは、
毎年変えていく。
そんな会社にしていきたいと思っています。
PS:
今年の定植が終わったばかりです。
なのに、
「来年は、ここをこうして……。」
と考えています(笑)
まだ来年の苗は影も形もありません。
でも、今が一番覚えています。
どこが大変だったか。
どこで遅れたか。
何がうまくいったか。
この記憶を来年まで残す。
そして来年、
「去年より、ここ良くなったよね。」
と言えるようにする。
その積み重ねが、苺の花ことばの文化になっていけばいいなと思います。