給液ポンプ故障、納期2ヶ月(笑)「1は最悪の数字」から考えた、仕事を止めない仕組み

定植直後に、まさかの機械トラブル

給液ポンプ故障、納期2ヶ月(笑)
「1は最悪の数字」から考えた、
仕事を止めない仕組み

いちごは、もう植わる。
でも、新しいポンプは2ヶ月来ない。

さて、どうする?(笑)

この記事の要点

いちごへ肥料を送る2台の給液ポンプのうち、1台が動かなくなりました。
設定、部品、手動運転まで確認しましたが原因を特定できず、新品の納期は早くても約2ヶ月。
そこで、動いているもう1台を使い、1液で使える肥料へ一時的に切り替えて管理を続けることにしました。
今回感じたのが「1は最悪の数字」という考え方。重要なものを一つだけに依存すると、それが止まった瞬間に仕事全体が止まる可能性があります。

まずは4コマでどうぞ(笑)

一つ直ったと思ったら、
今度は別のところで問題発生です(笑)

いちご農園で給液ポンプの故障や灌水トラブルに対応する様子を描いた4コマ漫画

「高橋さん、動かないです。」

「高橋さん、動かないです。」

と、クルーに言われました。

「どれどれ?」

と、動かないと言われた機械のところへ。

何が動かなかったのかというと、

いちごに肥料を送る
給液ポンプ。

です。

しかも、ちょうどいちごの定植が始まったばかり。

「今ですか……。」

というタイミングです(笑)

苺の花ことばでは「2液式」で肥料を送っています

苺の花ことばでは、肥料を「2液式」にしています。

簡単にいうと、2種類の肥料原液を用意して、それぞれを別のポンプで送り、水へ混ぜていちごへ与える仕組みです。

肥料原液A

ポンプA



肥料原液B

ポンプB


水と混ぜていちごへ

今回は、そのうち片方のポンプが動かなくなりました。

つまり、通常通りの2液式で肥料を送ることができません。

まずは、自分で確認できるところから

いきなり、

「壊れた!業者さん呼ぼう!」

ではなく、まずは自分で確認します。

最初は機械の設定。

いろいろ変えてみる。

……。

動きません。

「じゃあ、中かな?」

給液を送る部品が錆びたり固着したりして動かなくなることもあるので、動作部分を確認します。

引っ張ってみる。

動く。

「じゃあ、そこじゃない。」

次に、ポンプ本体を手動で動かしてみます。

……。

反応なし。

はい。お手上げです(笑)

設定を見ました。

部品も確認しました。

手動でも動かしてみました。

それでもダメ。

はい。

お手上げです(笑)

ここから先、自分で触り続けてもどうにもならなそうです。

なので業者さんへ、

「HELP!」

の電話。

こういう時は、自分でできるところと専門家へ任せるところを分けるしかありません。

「年数を考えると交換かもしれませんね」

業者さんへ、今まで確認した内容を伝えました。

すると、

「修理できる可能性もありますが、年数を考えると交換した方がいいかもしれませんね。」

とのこと。

確かに、かなり長く使っている機械です。

そこで、

新しいものはいくらくらいするのか。

そして、いつ入ってくるのか。

メーカーへ確認してもらいました。

その後、もう一度電話。

返ってきた答えは、

新品の納期

早くても約2ヶ月

……。

2ヶ月?

長っ!(笑)

いやいや、いちごはもう植わるんですけど(笑)

どうやら、メーカーにも在庫がないとのこと。

注文して。

作って。

届くまで。

早くても約2ヶ月。

でも、こちらは、

いちごは、もう植わるんですけど(笑)

2ヶ月間、

「ポンプ来ないので肥料待っててね。」

とは、いちごに言えません(笑)

植物は、機械の納期に合わせて待ってくれません。

だったら、今あるもので方法を考えるしかありません。

幸い、もう片方のポンプは動いている

今回は2液式。

片方は壊れましたが、もう片方のポンプは動いています。

そこで、新しいポンプが来るまでの間は、

動いているポンプを使って、
1液で使える肥料へ切り替える。

ことにしました。

本当なら、これまで使ってきた方法で管理したい。

でも、その方法にこだわっている間にも、いちごは育ちます。

だったら、今ある設備で可能な方法へ切り替えて、管理を止めない。

まずは、そちらを優先します。

そして今回、思い出した言葉があります

今回のポンプ故障で、ある言葉を思い出しました。

マーケティングや経営について多くの本を書いているダン・ケネディの考え方です。

「1は、ビジネスで最悪の数字」

です。

なぜ「1」が最悪なのか。

1個しかないからです。

一つしかないものに全部を依存していると、

その一つが止まった瞬間に、仕事そのものが止まります。

一つの顧客。一つの仕入先。一人の人。一つの機械。

ダン・ケネディがいう「1」は、機械だけの話ではありません。

例えば、

売上のほとんどを一社に依存
→ その取引が終わったら、一気に売上がなくなる。
集客方法が一つだけ
→ その媒体が使えなくなったら、お客様が来なくなる。
仕入先が一社だけ
→ 欠品や廃業が起きたら、商品を作れなくなる。
その仕事ができる人が一人だけ
→ その人が休んだら、仕事が止まる。
重要な機械が一台だけ
→ 故障したら、工程そのものが止まる。

共通しているのは、

「それがなくなったら、代わりがない」

ということです。

つまり「1」が怖いのは、数字そのものではなく「依存」

もちろん、世の中のものを全部2つ、3つ持つ必要はありません。

社長も二人。

トラクターも全部二台。

ポンプも何でも二台。

そんなことをしていたら、今度は費用が増えすぎます(笑)

ここで言う「1が最悪」というのは、

重要な仕事を、
代替手段のない一つへ
依存させない。

という考え方なんだと思います。

もし壊れても、別の方法がある。

もし来なくても、別の仕入先がある。

もし休んでも、別の人が対応できる。

「予備を持つ」というより、

「止まらない道をもう一本持っておく」

という感じです。

今回のポンプも「一つが止まったら終わり」だったら危なかった

今回のことを改めて考えてみます。

今までの2液式のやり方だけしか選択肢がなかった。

そして、そのポンプが壊れた。

新品は2ヶ月来ない。

もしそこで、

「この方法しかありません。」

となっていたら、かなり困っていました。

でも今回は、

通常ルート
2液式で管理

↓ 故障

代替ルート
動いているポンプ+1液で使える肥料

という別の方法へ切り替えることができます。

完全に同じ方法ではありません。

でも、仕事は止まりません。

これが大きいです。

予備は「同じ機械をもう一台」だけじゃない

バックアップというと、

「同じポンプをもう一台買って置いておこう。」

と考えます。

もちろん、それも一つです。

でも、予備の持ち方はいろいろあります。

① 同じ機械の予備を持つ
壊れたら、そのまま交換する。
② 別の方法で同じ目的を達成する
今回のように、別の肥料・運用方法へ切り替える。
③ 修理・借用できるルートを持つ
すぐ相談できる業者や代替設備の可能性を把握しておく。
④ 壊れやすい部品だけ在庫を持つ
すべての機械ではなく、重要部品だけ予備を置く。
⑤ 別の仕入先を調べておく
一社から入らなくても、別ルートを探せるようにしておく。

大事なのは、

「これが壊れたら、次はどうする?」

という答えを持っていることです。

特に危ないのは「止まった時の影響が大きい×すぐ手に入らないもの」

今回、もう一つ学んだのは納期です。

ポンプが壊れたことも問題ですが、

さらに大きかったのが、

納期2ヶ月

でした。

もし翌日届く機械なら、多少止まっても対応しやすい。

でも2ヶ月来ない。

しかも、いちごへ肥料を送るための重要設備。

こういうものほど、事前に考えておいた方がいいんでしょうね。

私なら、設備を見ながら、

壊れたら仕事への影響は大きい?

代わりの方法はある?

修理できる?

新品はすぐ来る?

このあたりを見て、バックアップの優先順位を考えるのが現実的だと思います。

「故障しないようにする」と「故障しても止めない」は別の話

機械は、もちろん大切に使います。

メンテナンスする。

掃除する。

異音を見る。

動作確認する。

故障しないようにすることは大切です。

でも、どれだけ大切に使っても、

絶対に壊れない機械はありません。

そこで、もう一つ必要なのが、

壊れないための対策

壊れた時の対策

を分けて持っておくことです。

「故障しないようにする」だけだと、本当に故障した瞬間に困ります。

「故障することもある」と考えて、その後まで決めておく。

こちらも必要なんでしょうね。

人の仕事でも「1」は怖い

今回の話は機械ですが、人についても同じだと思います。

「この仕事は○○さんしかできません。」

となっていたら、その人が休んだ時に仕事が止まります。

だから、

手順を共有する。

他の人も経験する。

記録を残す。

誰か一人に情報を集めすぎない。

そうしておく。

優秀な「一人」を作るだけでなく、
その人がいなくても
仕事が続く状態を作る。

これは会社を続けていく上で、かなり大事だと思っています。

売上も、集客も、仕入れも同じ

さらに考えると、農園経営のいろいろなところに「1」があります。

もし売上が、一つの取引先だけ。

その会社との取引がなくなったら?

集客が、一つのSNSだけ。

そのSNSの仕組みが変わったら?

販売が、一つのECモールだけ。

そこで販売できなくなったら?

原材料の仕入先が、一社だけ。

その会社から商品が入らなくなったら?

普段うまくいっている時ほど、
「これがなくなったら?」を考える。

問題が起きてから考えるより、起きる前に少し考えておいた方が楽です。

ただし「1をゼロにする」ことが目的ではない

ここは大事です。

「1は最悪の数字」

と聞くと、

「じゃあ全部、最低2つずつ用意しないと!」

となりそうです。

でも、それではお金も場所も足りません(笑)

バックアップにも費用がかかります。

予備の機械を買えば、使わないまま古くなるかもしれない。

仕入先を何社も増やせば、管理も複雑になります。

なので、全部を二重化するのではなく、

止まったら困るものから、
「別の道」を作る。

これくらいが現実的だと思います。

今回の故障で、もう一度「1」を探してみる

今回は幸い、別の方法へ切り替えられました。

でも、

「他にも、一つだけに依存しているものはないかな?」

と考えるきっかけになりました。

機械。

仕入先。

販売先。

仕事の担当。

データ。

集客方法。

「これが明日なくなったら、
仕事は続けられる?」

そう考えてみる。

続けられないなら、そこには「1」のリスクがあります。

全部すぐに直す必要はありません。

でも、分かっているだけでも、次の設備更新や仕事の作り方は変わります。

PS:

給液ポンプの対応を考えて、

「よし、とりあえずこれでいける。」

と思っていたら……。

今度は、

外の灌水が
止まらなくなってました(笑)

……。

一つ直したら、次。

農園の設備も忙しいようです(笑)

それにしても、機械って本当に、

「今じゃないでしょ!」

っていう時に壊れますよね。

だからこそ、「壊れたらどうする?」まで考えておこうと思います。

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