予定は変わるのに、なぜスケジュールを書くのか?いちご定植準備で実感した「計画→実行→修正」の意味

定植準備の数字を見て、予定変更

予定は変わるのに、
なぜスケジュールを書くのか?
「計画→実行→修正」の意味

予定通り進めることが目的ではない。
現実を見ながら、
予定そのものを変えることも仕事です。

この記事の要点

苺の花ことばでは、定植までの作業を分解し、実際に何時間かかったのかも記録しています。
苗の花芽分化が想定より早まる可能性が出たため、実績時間と残作業をもとに予定を組み直しました。
スケジュールは「絶対守る予定表」ではなく、予定と現実のズレを早く発見するための基準です。
だから「変更するなら最初から書かなくていい」ではなく、変更する可能性があるからこそ、最初の予定を残しておく意味があります。

まずは4コマでどうぞ(笑)

予定では間に合うはず。
でも、苗の生育は予定表を見てくれません(笑)

定植準備の作業時間と苗の状態を確認しながらスケジュールを組み直す様子を描いた4コマ漫画

「このままのペースだと、ちょっと間に合わないかもね!」

「このままのペースだと、ちょっと間に合わないかもね!」

と、クルーと打ち合わせ。

何のことかというと、これからいちごを定植するハウスの準備です。

いちごの定植って、

「苗を持ってきて植える。」

だけではありません。

その前に、いくつもの仕事があります。

片付け。

培地の準備。

熱消毒。

高設棚の準備。

マルチ張り。

定植位置の準備。

マルチカット。

そういう作業を一つずつ終わらせて、ようやく苗を植えることができます。

「だいたい」ではなく、何時間かかったかを記録する

苺の花ことばでは、この準備作業を一つずつ表にしています。

そして、

「この作業は何時間くらいかな?」

という予定だけではありません。

実際に作業が終わったら、

実際に何時間かかったのか

も記録しています。

例えば、

予定では4時間。

実際には5時間30分。

だったとする。

すると次のハウスを予定する時に、

「たぶん4時間くらい。」

ではなく、

「前回は5時間30分だった。」

という実績を使えます。

この差は結構大きいです。

残っている仕事を全部数字にしてみる

今回は、その実績時間と、まだ残っている作業を見ながら計算しました。

「この仕事、あと何時間?」

「残り何棟?」

「この人数なら何日かかる?」

「今のペースなら、いつ全部終わる?」

と、一つずつ計算します。

残作業
×
実績時間
÷
作業人数

もちろん実際の仕事は、こんな単純な計算だけでは決まりません。

雨の日もある。

別の仕事が入る。

人によって作業速度も違う。

機械トラブルがあるかもしれない。

でも、まず数字にしないと、

「間に合いそう。」

なのか、

「本当に危ない。」

なのかも分かりません。

計算してみたら、気になることが出てきた

その数字を見ていると、ちょっと気になることが出てきました。

普通の促成栽培用の苗の定植が早まった場合、

ハウスの準備が
間に合わないかもしれない。

ということです。

もともと私は、10月上旬〜中旬頃の定植を想定していました。

そこから逆算して、

「この頃までに、この作業。」

「次にこれ。」

という予定を組んでいました。

予定通りなら、たぶん間に合う。

問題は、苗が予定通りに進むとは限らないことです。

最近、夜の気温が下がってきた

最近、夜の気温がだいぶ下がってきました。

今のところ、去年よりも低めです。

一般的な一季成り性いちごでは、夏の高温期から気温が下がってくると、花芽分化が進みやすい条件へ近づいていきます。

つまり、苗の状態によっては、

こちらが考えていた10月上旬〜中旬より、

早く定植できる状態になる可能性があります。

早ければ、9月末〜10月上旬。

……。

「あれ?
それだと時間、
あんまりないぞ……。」

となったわけです(笑)

ということで、予定変更

これまで苗を管理してくれているクルーには、今年ほぼずっと苗の管理を中心にやってもらっていました。

一方、私を含めたハウス準備組は、ひたすら定植に向けた準備。

苗を守るチーム。

ハウスを作るチーム。

役割を分けて進めていました。

でも今回、予定をもう一度計算して、配置を変えることにしました。

苗管理をしているクルーにも、ハウスの定植準備へ加わってもらいます。

越後姫の定植に向けてハウス準備を進めるクルー
定植が早まる可能性を考え、ハウス準備へ人を増やしました。

ここで疑問。「変更するなら、予定なんて書かなくていいんじゃない?」

こういう話をすると、一つ疑問が出てきます。

「結局予定を変えるなら、最初からスケジュールなんて作らなくてもいいんじゃない?」

確かに、そう見えます。

10月中旬の予定だったのに、9月末へ変える。

人員配置まで変える。

だったら最初から、

「苗を見ながら、その時考えればいいじゃん。」

と思いますよね。

でも私は、これは逆だと思っています。

予定が変わる可能性があるからこそ、
最初の予定を書く意味がある。

スケジュールは「未来を当てるもの」ではない

スケジュールというと、

「○月○日にこれをする。」

「絶対この通りに進める。」

というイメージがあります。

でも、私は少し違うと思っています。

スケジュールは、

今分かっている情報で作った
「未来の仮説」

みたいなものです。

今の作業速度。

今の人数。

今の苗の状態。

今の気温。

それを使って、

「このまま進めば、この日に終わるだろう。」

と仮説を作る。

そして実際に仕事をする。

現実と違ったら直す。

それでいいんです。

予定があるから「ズレ」が分かる

例えば、予定を書いていなかったとします。

毎日、一生懸命準備をする。

そして9月末になって、

「あれ?まだ3棟残ってる……。」

となる。

これは怖いです。

一方、

「この作業は5時間。」

「あと4棟。」

「今の人数なら○日。」

と予定を作ってあれば、途中で、

「あれ?
予定より遅れてる。」

と気づけます。

つまり、予定は、

守れたかどうかを責めるためのものではなく、ズレを早く発見するためのもの。

なんですよね。

実は人間は「予定時間を短く見積もりやすい」

そして、予定を作る時にはもう一つ注意があります。

人間は、自分が仕事を終えるまでの時間を、実際より短く見積もりやすいことが知られています。

心理学では、

計画錯誤
(Planning Fallacy)

と呼ばれる現象です。

1994年の研究では、卒業論文に取り組む学生が、完成まで平均33.9日と予測しました。

ところが実際にかかった時間は、平均55.5日

自分が予測した期間内に終えられたのは、約3割でした。

面白いのは、人は未来を考える時、

「今回はこうやって進めるから大丈夫。」

と現在の計画へ意識が向きやすく、過去の実績を十分に使わない傾向があることです。

だから「前回何時間かかったか」を残す

この研究を見て、

「あっ、だから実績時間を残すのって大事なんだな。」

と思いました。

自分の感覚だと、

「この作業、4時間くらいで終わるでしょ。」

となりがちです。

でも記録を見ると、

「いや、前回5時間半かかってるぞ。」

と分かります(笑)

しかも研究では、単に過去を思い出すだけではなく、

「前回の実績を、今回の見積もりへ具体的につなげる」

ことで、楽観的な見積もりが改善することも示されています。

感覚ではなく、
自分たちの過去の実績を使う。

これは、これからも続けたいと思っています。

「いつ・どこで・何をする」まで決めると、行動にもつながりやすい

心理学には、もう一つ面白い研究があります。

ただ、

「これをやろう。」

と目標を決めるだけではなく、

「いつ」

「どこで」

「何をする」

まで決める方法です。

これは実行意図と呼ばれています。

2006年に94の独立した研究、8,461人をまとめた分析では、こうした具体的な「もし○○なら、△△する」という計画は、目標達成に中程度から大きめの効果を示しました。

もちろん、これは農作業の工程表そのものを調べた研究ではありません。

でも、

「やる」だけではなく、
「いつ・誰が・何をする」まで
具体化する意味

を考える上では参考になります。

計画と「確認」はセット

計画を立てただけでは意味がありません。

大事なのは、その後です。

やってみる。

実績を見る。

予定との差を見る。

その差をもとに、次の行動を変える。

目標設定について長年研究されてきた研究でも、

目標に対して今どこまで進んでいるかというフィードバックがなければ、努力の量や方向、やり方を調整することが難しい

と整理されています。

予定

実行

実績

差を確認

修正

この繰り返しです。

プロジェクト管理でも「予定は更新するもの」

これは農業だけの考え方ではありません。

大きなプロジェクトのスケジュール管理でも、

最初に計画を作る。

そして実際の進捗を入れる。

そのデータから完成予定日をもう一度予測する。

という管理が行われます。

つまり、

良いスケジュールとは、
一度作ったら動かさないものではない。

現実に合わせて更新されるものです。

ただし、ここで大事なのが、

最初の予定まで消してしまわないこと。

です。

おすすめは「当初予定・実績・最新予測」の3つを残す

もしスケジュール管理をするなら、私は3つを分けた方がいいと思っています。

① 当初予定

最初に、どのくらいで終わると考えていたか。

② 実績

本当に何時間、何日かかったのか。

③ 最新予測

今分かっている情報で、これからどう進めるのか。

これなら、予定変更をしても、

「何が変わったのか」

「なぜ変えたのか」

「最初の予測と実績がどれくらい違ったのか」

が残ります。

そして、それが翌年の予定を作る時のデータになります。

「変更するなら書かない」は、地図を持たずに出発するようなもの

私は、スケジュールを地図みたいなものだと思っています。

目的地まで行く時、最初にルートを決めます。

でも途中で、

事故。

渋滞。

通行止め。

があったら、ルートを変更します。

そこで、

「どうせ途中で道を変えるかもしれないから、最初から地図なんて見なくていい。」

とはならないですよね。

予定を変えることと、
予定を持たないことは、
全く違う。

最初のルートがあるから、

「ここが通れない。」

「じゃあ、こっちへ行こう。」

と判断できます。

仕事も同じなんだと思います。

スケジュール変更は「失敗」ではない

もう一つ大事なのが、

予定を変更した時に、

「計画通りにできなかった。」

と考えすぎないことです。

もちろん、単純に見積もりが甘かったのであれば、そこは次に改善します。

でも今回のように、

夜温が想定より下がった。

苗の花芽分化が早まりそう。

という新しい情報が入った。

それなら予定を変更するのは当然です。

新しい情報が入ったのに、
古い予定を守り続ける方が危ない。

予定を守ることが目的ではありません。

目的は、

苗が植えられる時に、ちゃんとハウスの準備が終わっていること。

です。

だから「計画→実行→確認→修正」を繰り返す

今回の仕事を順番にすると、こんな感じです。

① 作業を分解する
定植までに必要な仕事を、一つずつ見える形にする。
② 必要時間と予定日を入れる
実績データを使って「いつ終わるか」を予測する。
③ 実行する
実際に作業を進める。
④ 実績を記録する
本当に何時間かかったのかを残す。
⑤ 外部条件も確認する
苗、気温、天気、人員などの変化を見る。
⑥ 必要なら予定を組み直す
残作業、人数、最新情報から新しい終了予定を作る。

そして、また実行。

また確認。

また修正。

計画は一度作って終わりではなく、
現実に合わせて育てていく。

そんなイメージです。

「苗は準備OK。でもハウスはまだです」が一番困る(笑)

予定通りの日程なら、今の人数でも間に合ったかもしれません。

でも、定植が早まってから、

「やっぱり間に合いませんでした。」

では遅い。

苗は植物なので、

「ハウスがまだだから、もう1週間そのまま待ってて。」

とは簡単にいきません。

花芽分化が進んで、

「もう植えていいよ!」

という状態になったのに、

苗「準備OK!」

ハウス「まだです!」

では困る(笑)

だから可能性が見えた段階で、先に人員配置を変えることにしました。

農業だからこそ、予定を書く。そして予定を変える

農業って、本当にカレンダー通りには進みません。

去年と同じ日だから、今年も同じ。

とは限らない。

気温が違う。

雨が違う。

苗の状態も違う。

だから、

予定を作る。

実行する。

現実を見る。

必要なら予定を変える。

この繰り返しなんだと思います。

「予定変更=予定が意味なかった」

ではありません。

むしろ、

予定を書いていたから、早めに変更する必要があることに気づけた。

今回も、まさにそれでした。

PS:

予定が早まるかもしれないいちごとは逆に、

琥珀は順調に予定通り?成長しています(笑)

現在、体重27kg。

27kgまで成長したバーニーズの琥珀

大きくなりました(笑)

ただ最近、少しご飯の食べが悪いのがちょっと気になるところ。

こちらも予定表ではなく、本人の様子をしっかり見ていきます。

今シーズン最初の越後姫

「初物早期予約」受付中です

今シーズン最初の越後姫の予約受付もスタートしています。

今回は、ご希望に合わせて3つの商品をご用意しています。

初物早期予約①

自宅用いちご越後姫
もぐもぐパック 2パック

自宅用いちご越後姫 もぐもぐパック2パック

通常価格 税抜3,484円

↓ 早期予約価格

3,300円(税込)

もぐもぐパック2パックを予約する

初物早期予約②

自宅用いちご越後姫
もぐもぐパック 1パック

1パックでのご注文、または2パックより多く注文される方はこちらです。

自宅用いちご越後姫 もぐもぐパック1パック

通常価格 税抜1,204円

↓ 早期予約価格

1,000円(税込)

もぐもぐパック1パックを予約する

初物早期予約③・先着10名様

自宅用いちご越後姫
もぐもぐパック1パック定期便

今シーズンから、越後姫を定期的に楽しみたい方のための定期便もご用意しました。

自宅用いちご越後姫 もぐもぐパック1パック定期便

初回

900円(税込)

税抜833円

2回目以降

1,200円(税込)

税抜1,111円

お届け間隔:2週間・3週間・4週間からお選びいただけます。

※別途、クール便送料がかかります。
※定期便は先着10名様です。
※定期便の早期受付は9月15日までです。
※10名様に達した場合は、9月15日より前に受付を終了します。

越後姫の定期便を予約する

最後に:

今回、数字を見ていなかったら、

「まあ、今のペースで大丈夫でしょ。」

と、そのまま進めていたかもしれません。

予定を書いた。

実績を記録した。

苗と気温が変わった。

もう一度計算した。

だから、早めに人員配置を変えることができました。

予定は、当てるためのものじゃない。

現実との違いに気づいて、次の行動を変えるためのもの。

これからも、

計画して。

やって。

確認して。

また変える。

この繰り返しで進めていきます。

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